借金には、消費者金融業者等からのキャッシングや、銀行からのカードローン、車や宝石などの商品を購入した際の割賦支払契約など、様々な種類があります。
また、クレジットカードを利用することでできる借金もあります。具体的には、クレジットカードで決済したお買い物の代金や、そのお買い物代金のリボ払い、クレジットカードに附帯するキャッシングサービスを利用した場合などです。
クレジットカードを利用してできた借金については、どのように債務整理を進めていけばよいのでしょうか?
どの債務整理手続きでも、クレジットカードによる借金を整理することができます。借金の額、家計の状況から、最も適していると考えられる債務整理の方法を選択することになります。
ただ、クレジットカードを利用して商品を購入した場合、「所有権留保」という問題が発生する可能性があります。
◇所有権留保とは?
クレジットカードを利用して高額の商品(パソコンや宝石など)を購入した場合、代金を支払い終わるまでのあいだ、カード会社が商品の所有権を残したままにしていることがあります。これを所有権留保といいます。
カード会社が所有権を留保しておくのは、万が一商品代金の支払いが滞った場合には、商品を換価処分して、代金を回収しておけるようにしておきたいとカード会社が考えるからです。カード会社にしてみれば、商品代金を少しでも回収するために保険をかけておきたいというわけです。
債務整理を行うと、カード会社より所有権留保に基づき、商品を返却するよう請求がきますので、カード会社の指示に従って、商品を宅急便などで返却する必要があります。返却時期についてはカード会社との相談になりますが、通常は受任通知を出してから少しすると、カード会社から返却の要請がくることが多いです。
どうしても商品を手放したくないという場合は、任意整理を選択して、カード会社からの借入れについては手続きの対象から除外するという方法があります。
◇債務整理後、クレジットカードは持てる?使える?
どの債務整理手続きにも共通するのですが、債務整理を行うことで個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録され、今後数年間は新たにクレジットカードを作ったり、クレジットカードを利用した買い物やキャッシングは利用できなくなります。
ただ、諸事情によりどうしてもクレジットカードがいるという方もいらっしゃいます。例えば、自動車を使うお仕事(たとえば、配達のお仕事や営業のお仕事など)で、ご自身のETCカードが必要だというケースです。現在、クレジット機能がついているETCカードを使っているという方が多いと思うのですが、債務整理を行うと従来のETCカードを使うことは難しくなります。
この点については、クレジット機能がないETCカードを発行してもらうという方法があります。ETCパーソナルカードというもので、予めデポジット(カードにお金を預け入れしておくこと)しておけば、クレジット機能を使わずETCを利用することができます。
※詳しくは、NEXCO(西日本高速道路株式会社)のホームページをご参照ください。